(2)について
国民年金の給付額は前述の計算式で計算されます。計算式は

保険料を支払った期間については全額支給し、保険料を免除した期間については国庫負担相当額だけ支給する。

という内容の計算式です。従って、保険料を支払っていない期間については保険給付は行われません。

しかし、税法式の場合で、個人が特定できない税法式の場合は、「滞納期間」が発生しません。すると、国民年金を受給する権利のある方すべてが満額支給となります。つまり、国全体としてみれば、保険給付の額が著しく増えることになります。

また、国民年金は第1号被保険者だけでなく、第2号被保険者や第3号被保険者もいます。この方々の保険料は厚生年金保険をはじめとする被用者年金から基礎年金拠出金として一括支払いされます。当然この部分も税で賄うことになりますので、この部分の負担も必要になります。

厚生年金保険の保険料を半額負担する企業からみれば、厚生年金保険から基礎年金拠出金が無くなると言うことは厚生年金保険の保険料が安くなると言うことですので、歓迎したいところですが、前述のように、国全体で見た場合は国民年金の給付額が一気に増えますので、その分を税金で賄うとなると、より一層の増税が必要になります。つまり、経済に大きな打撃を与える虞があります。また、年金協定が世界各国と締結しつつある現状から考えると、折角年金協定を締結した相手国であっても、日本では国民年金相当額を税で支払わされるなら、二重払いの解消になりません。つまり、年金協定の相手国の企業が日本に進出しようとすると、年金協定があるにもかかわらず二重払いが発生するという矛盾が生じます。国際社会で日本人や日本の企業が確約する上で大きな足かせになりまねません。

では、増税することなく、保険料方式から税法式に切り替えるのはどうすればいいのでしょうか?

やはり、個人を特定できる国民年金保険税方式が妥当だと思います。しかし、それでは、現在の保険料方式と差異はなく、税と言うことで権利性が分かりにくくなるだけ国民に不利益になると思います。